午後になり、クライアントとのオンラインミーティングを終えると、茉莉花は奥のデスクに向かった。
「小澤課長、白瀬部長。ミーティング終わりましたので、面談いつでも大丈夫です」
小澤は顔を上げて茉莉花に笑いかける。
「お疲れ様。じゃあ、部長の手が空けば面談してきて」
「はい。部長、よろしくお願いします」
手元の資料から顔を上げた優樹は、茉莉花と視線を合わせて頷く。
「こちらこそ、よろしく。今からでも大丈夫か?」
「はい」
「では会議室に移動しよう」
「分かりました。何か持ち物は必要ですか?」
「いや、君は手ぶらで大丈夫だ」
優樹はデスクの上の資料をトントンとまとめると、最後に電話の横にあるメモ帳を手に立ち上がった。
(このメモ帳って、やっぱり部長の物なんだ。そうよね、これって使ってる人多いもん。沙和ちゃんも色違いの赤いの持ってるし)
オフィス文具としてはポピュラーなメモ帳で、サイズこそ違えど、同じ紺色は男性社員の数人も愛用している。
(部長がたまたま私と同じメモ帳を持っていても、ちっとも不思議じゃないもんね)
そう思いながら、大きな背中のあとについて会議室に向かった。
「小澤課長、白瀬部長。ミーティング終わりましたので、面談いつでも大丈夫です」
小澤は顔を上げて茉莉花に笑いかける。
「お疲れ様。じゃあ、部長の手が空けば面談してきて」
「はい。部長、よろしくお願いします」
手元の資料から顔を上げた優樹は、茉莉花と視線を合わせて頷く。
「こちらこそ、よろしく。今からでも大丈夫か?」
「はい」
「では会議室に移動しよう」
「分かりました。何か持ち物は必要ですか?」
「いや、君は手ぶらで大丈夫だ」
優樹はデスクの上の資料をトントンとまとめると、最後に電話の横にあるメモ帳を手に立ち上がった。
(このメモ帳って、やっぱり部長の物なんだ。そうよね、これって使ってる人多いもん。沙和ちゃんも色違いの赤いの持ってるし)
オフィス文具としてはポピュラーなメモ帳で、サイズこそ違えど、同じ紺色は男性社員の数人も愛用している。
(部長がたまたま私と同じメモ帳を持っていても、ちっとも不思議じゃないもんね)
そう思いながら、大きな背中のあとについて会議室に向かった。



