困惑しているミカちゃんに、気にせず行こうと目配せ。 この人はもうこういう生き物なので。 「というわけでスオウちゃん、正式なおれの彼女に──」 「本命は後から来ると思いますよー」 スーッと横を通り過ぎる。 二年の廊下を盗み見したとき、まだホームルームが終わってなさそうだったからね。 そのまま待っててね。 「……あれ誰?」 「あ、うん。知らない人」 だから無視が安定なんだと思う。 突拍子のないことをされる前に、逃げるのが最善策ってわけ。