時々、ばちばちっと配線盤から火の粉がはぜ、照明が稲妻のように明滅したり。

 きな臭い臭いを巻き散らかせた煙が、悪魔のように這い寄って来ても。

 レオンの歌声は、とぎれることは無かった。

 最後の一人が。

 無事にライブハウスを出て行くまで。
 
 そして、その頃には。

 全員。

 皆をはげまして、声がかすれるまで歌を歌い続けた『レオン』が。

 竜樹先輩なんかじゃないって知っていた。