真夜中。リビングの明かりは間接照明だけ。
花恋がソファでノートPCを開き、レポートを書いている。
花恋(モノローグ)
(授業、サークル、シェアハウス)
(人間関係、距離感、元カレ4人の圧──)
(疲れてるはずなのに、なんで今、ちょっと……落ち着いてるんだろう)
ト書き:
スリッパの足音が近づく。
眠たげな目で現れるのは、羽瀬 柊真。髪はボサボサ、パーカーの袖が伸びてる。
柊真(ぼそっ)「……まだ起きてたんだ」
花恋「うん。課題が終わらなくて」
柊真「……ふーん」
ト書き:
花恋の隣にどさっと座り、ソファに体を沈める柊真。
花恋(ちょっと笑って)「夜中でも相変わらず眠そうだね」
柊真(目を閉じたまま)「……俺、昼も眠いし、夜も眠いし、朝も眠い」
ト書き:
一拍置いて、柊真がぽつりとつぶやく。
柊真「……花恋、髪伸ばしたんだな」
花恋(ドキッとする)「……気づいてたの?」
柊真「うん。あと、ネイルしなくなった。香水も変わった」
花恋(視線をそらす)「……そんなに見てたんだ」
ト書き:
柊真が目を開け、花恋の横顔をじっと見つめる。
その目は眠たげで、だけど妙に鋭い。
柊真「“見てた”っていうか、忘れられなかっただけ」
花恋「……」
柊真「高校のとき、俺っていつも寝てたじゃん。でも、花恋が誰と話してるか、誰と笑ってるか、ぜんぶ覚えてる」
花恋(ぽつり)「……それ、こわいよ」
柊真(薄く笑う)「こわいでしょ。だから黙ってた」
ト書き:
柊真が、リビングテーブルに置かれた花恋のスマホを指差す。
柊真「さっき、澪からLINE来てたよな。既読ついてないけど、通知見た」
花恋「……見たの?」
柊真「通知見ただけ。画面までは触ってない。てか、勝手に触ったら、花恋怒るでしょ」
花恋(肩をすくめて)「……あたりまえでしょ」
ト書き:
柊真が目を閉じたまま、ふっと息を吐く。
柊真「……でもさ。俺、誰かと比べられるの嫌なんだよね」
花恋「なに急に」
柊真(目を開けて)「花恋はさ、誰の隣が“いちばん落ち着く”?」
花恋(言葉に詰まる)「……」
ト書き:
柊真が身を乗り出し、花恋の髪をふわっと指ですくう。
柊真「俺はさ、別に“好きだ”って何回も言いたくない」
「でも、今も隣にいたくて、こうしてる。……それだけで伝わってほしい」
花恋(目をそらす)「……ずるいよ、そういうの」
柊真「うん。ずるいよ。けど、好き」
ト書き:
柊真が花恋の肩に、ゆっくりと頭を預ける。
まるでいつも通りの、眠たそうな顔で。
柊真(小声)「今日だけ、こうしてていい?」
花恋(戸惑いながらも動けない)「……うん」
花恋(モノローグ)
(この人のとなりは、たしかに静かで、苦しくなくて)
(でも──)
(心の奥が、少しずつ、揺れていく)
花恋がソファでノートPCを開き、レポートを書いている。
花恋(モノローグ)
(授業、サークル、シェアハウス)
(人間関係、距離感、元カレ4人の圧──)
(疲れてるはずなのに、なんで今、ちょっと……落ち着いてるんだろう)
ト書き:
スリッパの足音が近づく。
眠たげな目で現れるのは、羽瀬 柊真。髪はボサボサ、パーカーの袖が伸びてる。
柊真(ぼそっ)「……まだ起きてたんだ」
花恋「うん。課題が終わらなくて」
柊真「……ふーん」
ト書き:
花恋の隣にどさっと座り、ソファに体を沈める柊真。
花恋(ちょっと笑って)「夜中でも相変わらず眠そうだね」
柊真(目を閉じたまま)「……俺、昼も眠いし、夜も眠いし、朝も眠い」
ト書き:
一拍置いて、柊真がぽつりとつぶやく。
柊真「……花恋、髪伸ばしたんだな」
花恋(ドキッとする)「……気づいてたの?」
柊真「うん。あと、ネイルしなくなった。香水も変わった」
花恋(視線をそらす)「……そんなに見てたんだ」
ト書き:
柊真が目を開け、花恋の横顔をじっと見つめる。
その目は眠たげで、だけど妙に鋭い。
柊真「“見てた”っていうか、忘れられなかっただけ」
花恋「……」
柊真「高校のとき、俺っていつも寝てたじゃん。でも、花恋が誰と話してるか、誰と笑ってるか、ぜんぶ覚えてる」
花恋(ぽつり)「……それ、こわいよ」
柊真(薄く笑う)「こわいでしょ。だから黙ってた」
ト書き:
柊真が、リビングテーブルに置かれた花恋のスマホを指差す。
柊真「さっき、澪からLINE来てたよな。既読ついてないけど、通知見た」
花恋「……見たの?」
柊真「通知見ただけ。画面までは触ってない。てか、勝手に触ったら、花恋怒るでしょ」
花恋(肩をすくめて)「……あたりまえでしょ」
ト書き:
柊真が目を閉じたまま、ふっと息を吐く。
柊真「……でもさ。俺、誰かと比べられるの嫌なんだよね」
花恋「なに急に」
柊真(目を開けて)「花恋はさ、誰の隣が“いちばん落ち着く”?」
花恋(言葉に詰まる)「……」
ト書き:
柊真が身を乗り出し、花恋の髪をふわっと指ですくう。
柊真「俺はさ、別に“好きだ”って何回も言いたくない」
「でも、今も隣にいたくて、こうしてる。……それだけで伝わってほしい」
花恋(目をそらす)「……ずるいよ、そういうの」
柊真「うん。ずるいよ。けど、好き」
ト書き:
柊真が花恋の肩に、ゆっくりと頭を預ける。
まるでいつも通りの、眠たそうな顔で。
柊真(小声)「今日だけ、こうしてていい?」
花恋(戸惑いながらも動けない)「……うん」
花恋(モノローグ)
(この人のとなりは、たしかに静かで、苦しくなくて)
(でも──)
(心の奥が、少しずつ、揺れていく)

