『えっ！？お嬢さん！？私、アニメの話しかできないし一緒に回っても楽しくないですよ』

早梅は顔を真っ赤にしながらそう言ったものの、ロメオは彼女にアプローチをし、同棲するまでに至ったのだ。ロメオは今、早梅が泣いていることに困っている。

（どうしよう……。仕事で嫌なことがあったのかな。どこか痛いのかな。僕はどうしたらいいんだろう。日本人ならこういう時、パッと行動できたりするのかな）

洗濯物を畳み終えたロメオはキッチンに立つ。冷蔵庫を開けるとひき肉、キッチンの戸棚を開ければトマト缶があったため、ミートボールのトマト煮を作ることにした。早梅の好物である。

他にもモッツァレラチーズとトマトのサラダ、オニオンスープとバゲットも用意した。作り終えた夕食をテーブルに並べ、ロメオはチラリと早梅の方を見る。早梅はまだ泣いていた。

（どうしよう……。あっ、夕食の後にあれ作ってあげよう！あれ作ったら笑ってくれるかな？）

ロメオはあることを思い付き、キッチンへと向かう。戸棚を開けて材料があるかどうかを確認した。きちんとほしいものは揃っている。安心したロメオは息を吐き、早梅に声をかけた。