キミのために一生分の恋を歌う③ -extra stage-

「ーー私はきっと日本に残った方がいい。小春のことも気になるし、すみちゃんや他の人達にも反対されるかもしれないし。一緒に行ったって晴の負担になるだけ」
「行くなら、短くて半年、長くて年単位になる。僕はそんなに長い期間、小夏のそばにいられないことがつらい。いつも僕の手元に置いておきたい。ワガママでもいい。独占欲と笑ってくれていい。でももう君の温もりを感じることを他の何者からも邪魔されたくない!!」
「うん……分かった。私、一緒に行くよ。晴が何処に行こうとも、ついていくよ」

晴が私から泣きそうな目で顔を背けて、ごめんって謝ってくる。

「晴、シャンとして胸を張って。晴が揺らいだら、私も悲しくなる。ほんとに嬉しいんだ。私」
「小夏っ、小夏小夏。もう二度と離したくない。もう僕以外の男には近づけたくない」
「私はここにいるよ。それに私、決めたんだ」
「ん?」
「私の人生は私が舵をとりたい。例えそれが誰かを傷つける結果になったとしても。もう諦めない。怯えない」

私は車椅子から立ち上がり、晴を抱きしめた。

「だって私、すごく幸せだったから。今まで私のために沢山傷付いて泣いてくれてそれでも諦めないでいてくれて、ありがとう。これからは晴のために私が泣くからねーー」

臆病だった私は泡沫に消えていく。
弱さは強さに変えていけるから。

「ありがとう。2人で未来を描こう。僕たちにしか描けない、最高の未来をーー」

そう言って、晴が強く抱きしめ返してくれる。
私は確信に変わる。
これから先の未来は、きっと晴としか描けない。

「うんっ!! 信じてる。晴となら、信じられるよ」