晴は口元を手で抑えたまま、暫く黙っていた。
しかし覚悟を決めたように口を開く。
「ーーこれはもう少し小夏が元気になってから伝えようと思ってた」
「うん」
「僕は今年の夏の間は小夏のことしか考えられなくて、その前は陽菜のことしか考えられずにいた」
「うん……」
「だけど、僕は陽菜のお陰で医者になれて、これからも医者として小夏や他の患者さんを救いたいから。もっと成長したい」
「そうだよね、私のために晴の貴重な時間を使ってくれてありがとう」
晴は首を横に振った。
「違うよ。これは僕が小夏のそばに居たくて、自分の意思で決めたことだ」
「私も、晴がいたから最後まで走り抜けられたよ。今度は晴の支えになりたい」
「うんーー、うん。僕のありのままの気持ちを言うね。僕はもっと医者として成長するために海外留学がしたい」
「そっか。晴が夢を語ってくれること、本当に嬉しいよ」
「そして出来ればそこに、小夏がいてほしいんだ。僕について来て欲しい」
晴ーー。
それは、本当にありのままの晴の願いだった。
だからこそ、真摯に向き合いたくて。
「私、お荷物だよ。病気で何も出来ないのに。これからだって何かある度に、心配かけるよ。絶対に晴の負担にしかならないのに」
「それでいい。お荷物じゃないよとか、見え透いた嘘は言えない。だって、小夏のことを一番思ってるのも、真剣に考えているのも僕だから」
しかし覚悟を決めたように口を開く。
「ーーこれはもう少し小夏が元気になってから伝えようと思ってた」
「うん」
「僕は今年の夏の間は小夏のことしか考えられなくて、その前は陽菜のことしか考えられずにいた」
「うん……」
「だけど、僕は陽菜のお陰で医者になれて、これからも医者として小夏や他の患者さんを救いたいから。もっと成長したい」
「そうだよね、私のために晴の貴重な時間を使ってくれてありがとう」
晴は首を横に振った。
「違うよ。これは僕が小夏のそばに居たくて、自分の意思で決めたことだ」
「私も、晴がいたから最後まで走り抜けられたよ。今度は晴の支えになりたい」
「うんーー、うん。僕のありのままの気持ちを言うね。僕はもっと医者として成長するために海外留学がしたい」
「そっか。晴が夢を語ってくれること、本当に嬉しいよ」
「そして出来ればそこに、小夏がいてほしいんだ。僕について来て欲しい」
晴ーー。
それは、本当にありのままの晴の願いだった。
だからこそ、真摯に向き合いたくて。
「私、お荷物だよ。病気で何も出来ないのに。これからだって何かある度に、心配かけるよ。絶対に晴の負担にしかならないのに」
「それでいい。お荷物じゃないよとか、見え透いた嘘は言えない。だって、小夏のことを一番思ってるのも、真剣に考えているのも僕だから」


