キミのために一生分の恋を歌う③ -extra stage-

その日の午後になり、今日から二学期だったからすみちゃんが色んな学校の資料を持ってお見舞いに来てくれた。同じく中学校が終わった小春と一緒に。

「こんちは〜。小夏、プリントとか持ってきたよぉ」
「あっありがとう。いよいよ二学期かぁ」
「明日から夏休み明けの実力テストあるけど、小夏はすでに補習決定だね」
「うげぇ〜」
「お姉ちゃん進路とかもそろそろ決めないとじゃない?」
「ん〜まだなんにも決めてないや。すみちゃんはどうするの?」
「内部進学かなぁ、服飾学科あるし」
「いいなぁ、もう決まってて」

私のお父さんとお母さんは音楽科出身だって聞いていて。私はピアノは勉強してきたけど他の人たちみたいに真剣に勉強してきた訳じゃないし、コンクールとかもにも出場したことない。

それに、なんかこの夏に全部出し切った感あって。
これから先が続いていくことも、bihukaはもうやれないんだってことも、理屈では理解出来ても、心では理解出来てない感じがした。

「まっ、小夏らしく今は焦らずゆっくりやっていけばいいんだよ。困った時はうちらがいるじゃん!」
「それに眉間にシワばかり寄せてると、シワだらけのおばあさんになっちゃうよ!」
「なにそれー!!」

まだ私若いしー!とか言いながら小春をポコポコ叩いてるとあっという間に夕日もくれるような時間になった。
ヒグラシが鳴いているのが聞こえた。