東西南北 4つの勢力 ~秘密の暴露と"1つの秘密"~

カチッ カチッ
 俺は、パソコンを操作する。
 あるUSBメモリを入手したから。
 いや、もらったから。
 Wordを開くと、そこには。
 『北野創さま。
  お久しぶりです。
  東雲です。
  私、勝手にーー』

時を遡ること20年ーー

 私はこれから、どんな毎日を過ごすことになるのかな?
 私は、東雲 梓(しののめ あずさ)。今日から、鷹ノ爪学院高等学校の1年生。
 私は、"東の勢力"の一員。
 向こうから歩いてくるのは、西園寺 絵美(さいおんじ えみ)。西の勢力。
 そして門のほうで人に囲まれているのは、南 時宗(みなみ ときむね)。南の勢力。
 あと、私の前を歩いているのが、北野 創(きたの はじめ)。北の勢力。
 ここ、鷹ノ爪学院は、私たち4人の家の丁度中心にある。
 そして、門は東西南北、4つある。
 どこかだけだと、不公平だからね。
 昔は北にあったらしいんだけど、西園寺・東雲・南の4家が手を組んで大反対したんだって。
 だから、東西南北に門がある。
 ちなみに今権力が強いのは、北野。
 その次が東雲で、南と西園寺はあんまり変わらない。
 ・・・つまり、東雲にとって邪魔なのは、「北野家」。
「おはよう、東雲さん」
「おはよう、西園寺、絵美、さん?」
 ふふっ。
 なに余裕そうなんだろう、この人は。
 私はアナタの秘密を知っているっていうのに。
 ・・・あんな、重大な秘密を。
「そうよ、"東の勢力"さん?」
 なに、その言い方?
 ・・・西の勢力のほうが、下のくせに。
「ねぇ、西園寺さん。私、この学校のこと、何も知らないんだー。・・・愛佐香だったから。だからー、色々、教えてね」
「・・・っ。そう。いいわよ?」
 ふふっ。
 マウントとれた。
 ここ、鷹ノ爪よりも、愛佐香のほうが賢い。
 ちなみに私は、そこでも賢いほうだった。
「愛佐香で落ちぶれたから、鷹ノ爪(ここ)に来たんでしょ?」
「・・・あれ?聞いてないのかな?私、定期テストはいつも一位だったよ?別に落ちぶれてないし、人間関係も良かったよ?」
 少し悔しそうな顔をする、西園寺さん。
 しかし、すぐに強気な顔になる。
「あら、そう。ごめんなさいね、東雲家のことは、あまり耳に入ってこないから」
「うちの家は、セキュリティーが頑丈だからね〜」
 にらんでくる、西園寺さん。
 ふふっ。
 少しやり過ぎたかな。
「じゃあね、西園寺家の、"一人娘"さん?」
 西園寺さんの目が、大きく見開かれる。
「あんた、まさか"あのこと"ーーっ」
 西園寺さんのことは放っておく。
 ヤバいヤバい。
 北野 創が、行ってしまう。