幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「あ、グレープフルーツジュースとかありますかね?」

 最初に晴乃がテーブルについていたご老人が、
「もう寝る時間だから帰るよ。
 このあと、どうなったか、教えてね、ママ」
と機嫌良く帰ったあと、智則たちのテーブルについていた望都子がイライラした感じにこちらを見ているのに気づいた。

 ひいっ、と晴乃は凍りついたが。

 充悟がチャカチャカとその場を仕切り、二人に呑み物を決めさせ、フルーツも一緒にオーダーさせた辺りから、充悟を見て深く頷いていた。

 いや……この人、この店の人じゃないんですけど、と思ったが。

 別のテーブルに、会社のおじさんたちに連れられてきていたらしいOLさんたちも、充悟を見て、

「あの新しい黒服の人、格好いいね」
と言っていた。

 いや……だから、この方、この店の店員じゃないんですけど……。

「とりあえず、自己紹介し直しましょうか」
というとこまで仕切ったところで、充悟は、ピクリとも動かないこの駄目ホステスに気づいたように、望都子を振り向いて言う。

「あのっ、これでこいつに金払うの、納得いかないんですけどっ」

 智則たちが笑っていた。