「充悟っ。
突如、ライバルが現れたなっ」
「……おじさん、なにワクワクしているんですか」
「この年になると、恋愛は自分のことより他人のを眺めるもの。
安全な場所から見ていて楽しい、気楽なものへと変わるんだよ」
愛妻のいる智則は、ほんとうに他人事で、機嫌良く高い酒を追加している。
「おじいさんじゃないじゃないですか……」
晴乃はまだ望都子に向かい、そう言っていた。
……やっぱり、こっちにしとけばよかったと思っているのだろうか。
「ずいぶん前に、つれあいをなくされたっておっしゃってませんでした?」
「それは本当よ。
ねえ?」
と望都子は征也を見る。
征也は、はは、と笑っていた。
「老後は誰かとともに過ごしたいとか。
若い娘ならなんでもいいとか」
「いえ、単に、今度は長く添い遂げたいなと思いまして」
征也が直接、晴乃にそう答える。



