幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「そのマラソン好きのお前の彼女が、なんでこんなところにいるんだ。

 ホステスなのか?
 ここまで、走ってきたのか?」

 ……いや、俺もついていけてないんだが、と思いながら、充悟は言った。

「たぶん、両方違うと思いますね」

「滉二くんが紹介してきたんだろう?
 いい家のお嬢さんなんじゃないのか。

 家が破綻して売られてきたとか?」

 この間紹介されたのに、家が破綻して、すぐに、ここに売られたとか、展開早過ぎだろ。

 まあ、若い男のテーブルについてるんじゃなくてよかった、
とちょっとホッとしながら、充悟は言った。

「あれは、大出三郎の娘ですよ」

「じゃあ、望都子さんの義理の娘か」
と智則がママの方を見る。

 あの女帝みたいな人がうさぎのケーキとマドレーヌが好きな義理の母親か……。

 お嬢様育ちの義理の娘をこんなところに引っ張り出すなんて、と充悟は憤慨しかけたが。

 望都子は、酒を自分のドレスにこぼした晴乃を見て、

「ああっ、なにやってんのっ。
 あんたなんか連れてくるんじゃなかったわっ」
と言いながらも、せっせと世話を焼いてやっている。