「充悟、いい見合いの話があるんだが」
そんな電話を突然、おじ、智則がかけてきた。
「また断られるからいい」
充悟は、すげなくそう言ったが、
「諦めるな、戦え」
と言われる。
バトルものの映画か、と思いながら、
「……今、相手っぽいやつがいるからいい」
と充悟は白状した。
どんな女性だ。
家柄は?
とか突っ込んで訊かれると思い、身構えたのだが、智則の反応は、まったく違っていた。
「えっ? 大丈夫なのか?」
と何故か心配される。
「お前に付き合える女がそうそういると思えない」
じゃあ、その見合いも無理だろうよ、と思いながら、充悟は言った。



