先にガードレールを乗り越えて下りていた充悟が、朝露に濡れた手をこちらに伸ばし、 「ほら」 と言ったとき―― ちょっとだけ、ときめいたことはみんなには内緒だ。 そう思いながら、晴乃はスマホを切り、立ち上がった。