幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

 先にガードレールを乗り越えて下りていた充悟が、朝露に濡れた手をこちらに伸ばし、

「ほら」
と言ったとき――

 ちょっとだけ、ときめいたことはみんなには内緒だ。

 そう思いながら、晴乃はスマホを切り、立ち上がった。