幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「一応、約束はしましたよ」

 なんて? と不安げに望都子が訊いてきた。

「今度、一緒に、全部点滅している信号を見ようって」

 今朝は、走り出したのが四時だったので、もう見られなかったのだ。

「……ほんとうにその人、あなた以外に相手いなさそうだから、結婚してあげなさい」
と同情気味に言われる。

「ところで、なに見てるの?」
と望都子がスマホを上から覗き込んできた。

 これです、と晴乃はその画面を望都子に見せる。

「山の中にまだあじさいが咲いてたんですよ。
 カーブになってる辺りに。

 急いでるのに充悟さんが道から下りて、確認してくれて。
 一緒に写真撮ってきたんです」