「ほんとに、あじさい咲いてました?
僕、買い出しで毎日通るけどなあ」
とかいう話をしながら、大きなホテルの中に入る。
店長に連れられ、カウンターに行くと、すぐに、黒い制服の似合う、長身で男前の支配人、修司が現れた。
二人は幼馴染だと言う。
店長が修司を紹介しながら、
「運動会の売店で挨拶もできなかったお前が支配人とか」
と笑った。
「そんなときがあって、今があるんですね~」
と晴乃は言ったが、充悟は、
いや、運動会の売店、関係あるか?
と立派な支配人を見る。
「あ、そうだ。
部屋は、やっぱり、別々がいいんだって」
と店長が言ってくれた。
晴乃は、
「あの、あんまり離れてても、朝大変なんで。
同じフロアとかがあれば、お願いしたいんですが」
と言ったが、充悟は、
「いえ、本館と別館で」
と言う。
パソコンから顔を上げた修司が、
「……何故、男性の方がかたくななんですか?」
と訊いていた。



