幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「いや~、お二人に乗ってもらって助かりました。
 夜道はやっぱり怖いんで。

 一人だと、後部座席にいきなり霊が乗ってて、ぎゃーってなりそうじゃないですか」

 今だと、我々が霊だということになりますよね。

「そういえば、店より下のカーブの辺りに女性の霊が立ってたとか聞くことあるんですけどね。
 その霊なんて、見る人、ほとんどいないですよね」

「人が見てなかったら、休憩してそうですね」
と晴乃は言う。

 上り坂がきつくなってきたとき、店長が訊いてきた。

「あのー、エアコン、切ってもいいですか?」

 そういえば、下手したら、途中で止まりそうなエンジン音だ。

「すみません。
 もうかなりガタが来てるんですけど。

 好きなんですよね~、この車」
と店長が笑う。

 店長に言われて、窓を開けると山風が涼しかった。

 ……蚊が入ってきそうだが。