幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

 


「すみません。
 ほんとに乗せてもらっちゃって」

「いやいや。
 ついでですから」

 店長の運転する、ガタガタと揺れる小型のジープのような車で、晴乃たちはホテルに向かう。

「まあ、歩いていけないこともないですけど。
 夜道は危ないですから」

「ああ、クマとか」
「蛇とか」
と二人で言って、

 えっ? 蛇?
と店長に訊き返される。

「あと、人気がないと、霊とか出そうじゃないですか」
と言う店長に、晴乃は、

「面白いですよね、霊って」
と言った。

「人気がないときに出てくるけど。
 人がいないと出てこない」

「いや、出てきてないかどうかはわからないだろ。

 そうだ。
 防犯カメラに映ってる霊とかいるじゃないか」
と言う充悟に、

「それは防犯カメラがあるからじゃないですか?」
と言ったが、

「霊が、あ、あそこにカメラがあるから出よう、とか思って出てきてると思うのか」
と充悟は言う。

「まあ、霊に訊いてみないとわからないですよね~」

 そう晴乃が言うと、店長が笑った。