幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「ヘリのツテがあるみたいですよ。
 居酒屋もここもご馳走になったので、私がヘリを手配しますよ」

 いや、待て、落ち着けっ、と充悟が言ったとき、店の奥からヒゲの店長さんが出てきた。

「大丈夫です?
 タクシー来そうですか?」

「来そうにないですが、まあ、大丈夫です。
 ……ヘリでも呼びますよ」

 店長さんに心配をかけては悪いと思ったのか、充悟の方がそう言った。

 何処まで本気にしてるのかわからないが、ははは……と笑ったあとで、

「女の子は早くに上がっちゃったし。
 吉村くんはバイクだし。

 僕の家は山の方なんでね~」
と店長はあのホテルの方を指差す。

「ホテルの方に行かれるのなら、お連れしますよ。
 もう夏休みも終わったし、部屋、空いてるんじゃないかなあ」

 二人で顔を見合わせる。

「でも、乗せていっていただくの、申し訳ないです」

「いえいえ。
 うちほんと、ホテルのすぐ近くだし。

 提携してるとこなので。
 あんまり言うと、逆に営業してるみたいになっちゃいますけどねー」
と店長は笑う。