「俺たちは計画性がないな」
夜空を見上げ、充悟が言う。
「まあ、いきなり、バスに飛び乗って、こんなところまで来てしまうくらいですからね」
「いや、いきなり飛び乗ろうとしたの、お前だからな……」
店は閉まってしまったが、まだ後片付けをしている店員さんたちがいて。
玄関の灯りをつけてくれていた。
満席のとき待つ外の椅子で、二人並んで星空を見上げる。
中で待っていてもいいと言ってくれたが、悪いので。
「……それにしても、どうしましょう。
まだ空いてるタクシーないって言ってましたね。
もう、歩いて下りますか?」
「危険だろう。
クマが出るかもしれん」
「蛇が落ちてくるかもしれませんしね」
二人は同時にそう言っていた。
「何故、蛇」
「空飛ぶ蛇とかいるじゃないですか」
「それ、日本にいるのか?」
「じゃあ、やっぱり、ヘリを呼びますか」
「だから、なんでいきなり、ヘリ……
って、何処に電話しようとしてんだっ」
「滉二くんです。
夜間遊覧の観光ヘリなら手配してくれるから」
「いや、そうだがっ」
発着地、ここじゃないだろうっ、と充悟は言うが。



