息を切らせてバスに乗る。
すぐに扉は閉まった。
座席はほとんど空いている。
「空いてますね~。
山に行って下りてくる循環バスですよね、これ。
もしかして、最終なんですかね?」
「……弾みで乗ってしまったが、どうやって帰るんだ、俺たちは」
喫茶店や呑み屋と違って、横に並んで座るので。
ちょっと近すぎて緊張するな、と晴乃は思う。
充悟はそれどころではなく、青ざめているようだったが。
「そうですねー。
山ですから……
ヘリとか?」
まず、タクシーだろうよっ、と充悟に言われる。
「閉まりかけのバスとか新幹線とか、行き先確かめる前に、つい、飛び乗ってしまいますよね」
「新幹線はやめろ……」
お前は、ほんとうに目が離せない女だ、と充悟は呟く。



