和風のその居酒屋は障子で仕切られている個室になっていて、狭いが落ち着く感じだった。
冬は掘り炬燵のようになるのだろうテーブルも足が下ろせていい。
「なに呑まれます?」
と晴乃が訊いてくる。
「とりあえず、ビール、といきたいところだが。
ビールはあまり呑むと腹が出るからな」
「そうなんですね~」
と聞いているのかいないのかメニューを眺めながら、晴乃は言う。
「でも、運動とかされてるんじゃないですか?
ジムとか行って」
「いや、なかなか、そんな時間もとれないから。
ああでも、早朝のジョギングにハマってたことはあるな」
「へー、そうなんですね~」
という晴乃の目は、酒と料理の写真に釘付けになっているように見える。
そこそこモテてきたつもりだったが、こいつは俺より、酒と美味いメシの方が好きそうだ、と充悟は思った。



