幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「さっき、ゴミを持って、ちょっと庭に出たんですけど。

 そしたら、家中に灯っている灯りが、あの日、宿の近くで見た、ずらっと並んでる提灯みたいに見えて。

 あの日を思い出して、なんだか切なくなりました――」

 充悟は後ろから晴乃を抱いたまま言う。

「お前がつけたままがいいのなら、ずっとつけてていいぞ、家中の灯り」

 だが、そう言いながらも、

 電気代っ、と杏奈と望都子が怒ってきそうだな、と思い、

「はあ? なにそれ?」
と西子が言いそうだな、と思い、

 いつも、きちんとしている征也は、うーん、と渋い顔をするだろう、と思った。

 こんなとき、反応を思い浮かべられる家族がたくさんいるのは楽しいな。

 いや、そういえば、征也さんは家族じゃないのだが、まあ、一緒に町内会の旅行にも行った仲だし。

 そういえば、滉二は町内会の旅行に来ていなかったな。

 俺をあの地区の(つど)いに引っ張り込んでおいて、と。

「……ここは怪しい宗教団体かなにかですか」
と晴乃に言われそうなことを思う。