お、晴乃からメッセージが。
夜。
まだ会社を出てなかった充悟は、にやけそうになる顔を抑え、スマホを開いた。
『今日は、お料理がんばりました』
『そうか。
楽しみだ』
『充悟さんがお好きなプリプリの小指が入ってますよ』
……俺になにを食べさせようとしてるんだ、
と思ったが、晴乃は打ち間違いに気づいていないらしく、そのあと、ニコニコした猫のスタンプを送ってきた。
『楽しみにしてる』
と気づかぬフリをして打ち返す。
「充悟、なんか食べて帰らないか?」
会社の立ち上げを手伝ってくれた友人が、そう声をかけてきた。
まだ出発して間もない会社だ。
社員数も少ないし、オフィスも狭い。
だが、いつか、うちの一族の会社に並ぶような会社に――。
……いや、そういう方向性じゃなくていいんだよな、今どき。
そんなことを考えながら、
晴乃からのメッセージを見て、まだ止まらないにやけ顔を引き締め、友人を振り向いた。



