部屋に荷物を運んでくれた充悟が言う。
「俺たちはあんな風にはならないからな」
「まあ、あの人たちはあの人たちで、あれで楽しいのかもしれないですけどね」
さようなら、と出て行ったはずの妹も、ちゃっかり父に雑誌に載っていた服をねだっていた。
「晴乃」
窓辺のローボードに荷物を置いたあと、そう呼びかけてきた充悟はちょっと咳払いして言う。
「お前が望むなら、俺は、俺様のままでいると言ったな」
いや、だから、望んでません……。
「俺は俺様なんだからやりたいようにやっていいはずだ。
俺は、お前と……」
そこで充悟はつまった。
デジャヴかな、と晴乃は思う。
前回、ここでいきなり、旅行に行きたいとか言い出したから、突然、旅行に行くはめになってしまったわけなんだが。
そう思い、見つめていたが、充悟は今度は続きを言ってきた。



