晴乃との電話を切ったあと、充悟はベランダに出て星を眺めた。
別に働いてもいいし、自分を変えてもいいが。
俺と結婚したあとでもいいんじゃないか?
……今日、別にお前のためではないが、ばあやに見てもらって、目玉焼きも作ったのに。
野菜も切ったし。
まあ、料理できるようになったと言うには、ちょっとまだ恥ずかしいんだが。
……いや、待てよ。
『お前のためではない』とか、こういうの言うのがよくないのかな、と充悟は珍しく反省した。
高江さんは、せっせと料理を作って持ってってるみたいだし。
しかし、冷えるな、もう秋かな。
中に入ろうと思ったが、充悟は立ち止まり、もう一度、星空を振り返る。
一緒にベランダに立って、
「素敵ですね。
ここからの眺め」
と微笑む晴乃の幻が見えた。



