幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「それが、充悟くんのばあやさんは、今、イギリスにいる孫のところに行っていて。

 その平井珠子(ひらい たまこ)って方が代わりに、ばあやさんをやっているらしい」

 ばあやさんは、『ばあやさん』というお役目なのですね。

「ちなみに、珠子さん、そのイギリスに留学している大学生の息子のお母さんらしいんだ」

 結局、妖怪!?
と杏奈たちとともに衝撃を受ける。

「しかも、聞いてみたら、そのお孫さん、うちの息子と同じ大学だったんだよっ」

 征也はそこのところは嬉しそうに語ったのだが、美佳が悲鳴を上げる。

「待ってください、色白のイケメンさん、おいくつっ!?」

「ああ、息子って言っても、前の妻の連れ子なんだけど。
 歳が近いから、気が合って」
と征也は(ほが)らかに笑う。

「前の奥様、おいくつっ?」
と今度は杏奈が叫ぶ。

「……この家の関係者は妖怪しかいないの?」
と美佳が呟いて。

 ごろごろスープの匂いに惹かれたのか、途中から現れていた望都子に、

「待って。
 冷静に聞いたら、誰もたいして妖怪じゃないし。

 誰もうちの関係者じゃないから」
と言われていた。

 思い込みによる連鎖だ。

 なにかのトリックのようだ。

 ……まだなにか思い込んでいることがあるのでは、と晴乃は苦笑いする。

 とりあえず、なんだかわからないが、ホッとしていた。