征也は晴乃を見つめ、思っていた。
……実は、あなたのせいで困っています、と。
あなたに言った方がいいのか。
言わない方がいいのかわからないことがあって、困っています。
征也は夕方、美しい女性と充悟が買い物をしているのを見てしまった。
あんなに距離が近い……。
何故かふたりで軍手を見ている。
「やはり、このくらいの軍手でないと、あまり厚すぎてもいけませんし」
何故、軍手……、
と思いながら、じっと見てしまっていたらしい。
ふたりがこちらに気づいた。
「……高江さん」
「いやいやいやっ。
晴乃さんや望都子さんに告げ口したりはしないからっ」
と買い物カゴを手に後退したが、
「ああでも、晴乃さんが充悟くんと結婚して不幸になると、胸が痛むような気がする……」
とちょっと前に出た。
「待ってください。
なんで、俺と結婚したら、晴乃が不幸になるんですか」
「だって、晴乃さん以外の女性とそんなに距離近く――」
とチラ、と麗しい彼女を見る。
ああ、と充悟は彼女を振り向き、言った。



