幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「あのー、何故、ライトアップされた壁一面の素敵な棚に、カラの酒瓶などを並べてみたんですか?」

「……ここはご自由に、と言われたからだ」

 バーかなにかのように、お洒落な瓶が並んでいる、とかではなかった。

 ほんとうにただのいらない、いろんな瓶が並んでいたのだ。

 まあ、カラフルではあったが。

「デザイナーに、ここはご自由に、と言われても、特に飾るもの、思いつかなかったんだ。

 それでなんとなく、空いた瓶を並べるようになった」

 いっぱいになったら捨てている、と言う。

 ……なんてゴージャスなカラ瓶置き場なんだ。

「そうだったんですか。
 大事にとってあるから、あれで誰か撲殺する気なのかな、とかいろいろ考えちゃって」

 はは、と晴乃は笑う。

「いや、なんでだ……」

「何人殺す気なんだって話ですよね」

「なんで、ひとり、一瓶の必要がある……」

 言われてみれば、まあ、そうか、と思ったとき、ふいに充悟が前を見つめて、言ってきた。

「お前があの家気に入ったのなら――

 引っ越すのはやめようか」

「え?」