幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「そうだ。
 お前の好きそうなワインがあったんだ。

 望都子さんたちと呑め。
 ちょっと乗って待ってろ」
と行こうとしたが、晴乃が、

「離れないでください」
と言うのが聞こえてきた。

 えっ? と足を止めて、振り返る。

 晴乃が腕をつかんできた。

 どうした、お前、急に積極的にっ、と思う。

 晴乃は自分を見つめて言った。

「もっと近くに来てください」

 晴乃……。

 庭の灯りに照らし出された晴乃はいつも通り綺麗だった。

 だが、晴乃は言う。

「鍵が開かないので」

「……ああ。

 なるほど……」
と自分は魂が抜けたような声で、機械的に頷いた。

 晴乃の手に車のスマートキーを渡す。