晴乃が笑い出すのを見て、充悟は、ホッとしていた。
やっぱり、こいつも灯りのついていない家が怖いのか。
俺と気が合いそうだ、と実は合っていなかったのだが、思う。
「先につけてきてやるよ、電気」
「えっ?
いや、いいですよ。
充悟さん、怖いんでしょう?」
私も行きますっ、という晴乃に、
「いや、いい。
待ってろ。
全部灯りをつけたら、迎えに来るよ」
と充悟は言った。
おっ、今の俺、なんか格好よくないか? と思う。
よく考えたら、単に、自分ちの電気を客が来る前につけに行っておくよ、という、すごく当たり前のことを言っただけなのだが。
……なんだか、街に出て成功したら、お前を迎えに来るからって言う男みたいでもある。
なにかで成功したら――
いや、すでに仕事の上では、かなり成功してるんだが。
俺が迎えに行くのは、晴乃なのだろうか?
そんなことを思いながら、電気をつけて歩く。
晴乃が外で待っていてくれると思うせいか、いつもより怖くなかった。



