幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

「私はただ、おねえさまの身を案じて、そっと聞いているだけですのよっ」

 おや?
 外からも同じ声が聞こえる。

 充悟とふたり塀の外を見た。

 その間も、杏奈の言葉は続いている。

「でも、愛の言葉は録音しておくのも手ですわ。
 男の方は、すぐに、そんなこと言ったかな、というものらしいですから」

「母親から聞いたのか?

 それ別に、しらばっくれてるんじゃなくて、照れて言ってるんじゃないのか? 相手の男は」

「そうなんですのっ?

 ああ~、もうっ。
 やっぱり、発信機もつけとくべきでしたわっ」
と突然、杏奈は叫び出す。

「義理の姉に発信機だの、盗聴器だの、物騒な家族だな」
と充悟は言うが。

 いえ、あなたも以前、王子様のように助けに来るには、発信機と盗聴器が必要だ、とおっしゃってましたよ……。