「そういえば、お前、望都子さんに嫌がらせとかされたことないのか。
嫌味はよく言われているようだが」
と充悟に訊かれる。
「あ~、でも、あれは望都子さんなりの挨拶みたいなもんですからね~」
庭にある白いソファに座り、晴乃は、今買ってきたカラフルで小さなおむすびを食べていた。
「ああ、でもそう言えば、同居しはじめのころ、私の鞄の中に、ゴミがいっぱい入れられてたことがあります」
「それは結構ひどいな」
「『あのー、私の鞄の中にゴミが詰め込まれてたんですけど』
と夕食のときに言うと、望都子さんに、
『知らないわよ。
私じゃないわ。
なによ、その疑いのまなざし。
そんな絵に描いたような没個性な嫌がらせを私がすると思わないでっ』
って怒られて。
いや、望都子さんがやったと思ったわけじゃないんですけど。
なんで入ってたのかなー? と思って、訊いただけだったんですけどね」
「それで気まずくなったりしなかったのか?」
「ちょっとなりましたね」



