幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

 はい、と晴乃が出ると、
「おねえさま、スピーカーにしてください」
と言う。

 言われた通りにすると、
「私がお答えしますわ」
と杏奈が言う。

「……いや、お前、聞いてんじゃねえか」

 学校はどうした、と言う充悟に、杏奈は、もう帰りました、と言う。

「ちなみに、そちらからオフにしても切れません、おねえさま。
 それだと盗聴器の意味ないですから。

 充悟さん。
 おねえさまは、ちょっとしたことから、不正を暴いてしまうのですわ。
 人が気づかないような、細かいことにお気づきになられますの」

 そんな杏奈の説明を聞いて、充悟は、
「……もう探偵にでもなれよ」
とこちらを見て言う。

「しかも、おねえさま、暴いているつもりもないのです。
 ふと、気づくらしいんですの。

『あら? あれ、数がおかしくないですか?』
みたいな感じに」

「……うちの会社には立ち入らせないようにしよう」

 さ、切れ、と言いながら、充悟は手を伸ばし、テーブルの上に置いていたスマホを切る。

 それから、晴乃に出させた盗聴器を持って、庭の端まで行くと、ポイ、と投げ捨てていた。