充悟の家の庭は、可愛らしい花の咲くハーブなどが植えられていて素敵だった。
だがまあ、どう見ても、素人が作ったものではない。
「うちの家は、建築士が考えて家を建て、造園業者が勝手にデザインして庭を作り、家具はインテリアデザイナーがそろえた。
なので、よく素敵ですねと言われるが、なにも俺の手柄ではない」
晴乃は庭からその大きな屋敷を見回し、
「いえ、信頼できる業者さんを選び、すべてお任せしたことが充悟さんの手柄ですよ」
と言った。
「お前は意外にとぼけたお嬢さんではないのに、何故、働いてないんだ?」
と問われる。
「……なんかクビになるんですよね」
「クビに?」
「試用期間中にクビになったり。
会社を見学に行ったらクビになったり」
「試用期間中に、もあまりないが、見学に行っただけでクビになるとか普通ないぞ」
そのとき、電話がかかってきた。



