苦しいのは、君が笑うから

 私にとっては永遠にも感じられた試験期間が終わったその日。
 
 私は、いつもそうしていたように、メッセージアプリを開いた。そこから迷うことなく、1番上の君との会話を表示する。

 
「久しぶりー!私も試験無事に終わったよ!!」

 
 そんな短い文章を打つのにも手間取ってしまった。
 君と仲良くなったばかりの頃、夜な夜な会話していた時よりも圧倒的に遅くなっている気がする。


 君は私の3日前には全ての試験が終わったらしいから、これからまた毎晩、君と2人で夜更かしコース確定だろう。



 今度はどんな話をしようか。テストへの愚痴がいいだろうか。
 それとも、もっと明るい話?

 どんどん想像は膨らんでいく。


 あぁ…、楽しみだなぁ…。


 しばらくメッセージを誰かに送る機会もなかったせいで、懐かしく思える送信ボタンを震える指でタップする。

 

 1分が経った。

 

 そのまま返信のない時間が、2分、3分、4分……。10分経った。

 おかしい。いつもは、何があっても3分以内には返ってきてたのに。


 1時間、2時間、3時間、……1日。
 いつまで待っても、既読さえつかなかった。