私は、どこから間違ってたんだろう。


 寒い寒い冬の日。君と過ごした、事実上の最後の日。

 雪が降り始めてもなお、私は公園のブランコに居座っていた。君からのメッセージの温かさで暖を取るかのように、ぎゅっと強くスマホを握りしめる。


 
 どれくらいそうしていただろうか。私が、待ちわびた音が冷たい空気の中に響いた。
 

「お待たせ。……ごめん、待った?」
「まぁ、そうだね、待ちくたびれたよ」
「ごめんって」
 

 ここで正直な気持ちを言わずに、何か気の利いた言葉をかければ良かった。
 そしたら君は、まだ側に居てくれたかな。
 

「それで、最近どう?」
「私…は特に変わりはないかな。いつも通り勉強漬けの毎日だよ」
「分かる。一緒だわ…」
 

 君は、私よりもずっとずっと努力していた。私も、君と過ごした短い時間の中でも、それは充分すぎる程に分かっていたつもりだった。

 
 だから、私ごときが勉強漬けを名乗るのは、おこがましかったのかもしれない。
 それが、君は気に入らなかったのかもしれない。