イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

仕事帰りの夜道。
コンビニで買い物を済ませて、アパートへと続く道を歩いていた。

静かな住宅街。
灯りの少ない路地は、いつもよりひんやりと感じた。

(あと少し……)

そう思った瞬間だった。

「っ――!」

背後から、何かがぶつかってきた。
押されるようにして、歩道脇のフェンスに身体を打ちつけられる。

手に持っていた紙袋が、地面に散らばった。

「っ……痛っ……」

息が詰まる。右の肩と手首に鈍い痛みが走る。

その場に崩れ落ちた美香奈の視界の端で、誰かの足音が走り去っていった。

何も言葉を残さず、何も奪わず――ただ、“襲ってきた”。

(いまの……誰……?)

肩がじんじんと痛む。恐怖が、後から追いかけてきた。

足が震えて、声も出ない。

そのとき、携帯が震えた。

表示された名前に、涙が込み上げた。

“神谷涼介”