イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

翌朝。

カーテン越しの光が、ゆっくりと部屋を照らしていく。

美香奈は、目覚ましの音よりも先に目を開けた。
夜中、一度も目を覚まさずに眠れたのは、本当に久しぶりだった。

身支度を整えながら、自然と鼻歌がこぼれる。
わずかでも心に余裕があることが、こんなにも自分を軽くするのかと、あらためて思う。

(きっと、今日も大丈夫)

そう思えたのは、あの背中を思い出したからだ。
神谷さんが来てくれた。話を聞いてくれた。――それだけで、こんなにも違う。

ドアに手をかけ、外へ出ようとした瞬間。

(……あれ?)

ポストに、何かが引っかかっている。

白い紙――ではなく、折りたたまれたチラシ。
その端に、ボールペンで走り書きされたような線が見えた。

(なんだろう……)

ゆっくりと紙を手に取った瞬間、背中を冷たいものが這い上がった。

“見てるよ。”

小さな字。ボールペンの跡は、わずかににじんでいた。