…信じられるか?この差別。
俺とルイーシュは、今朝、山のような種類のパンや、サラダやスープや、フルーツをたらふく食べたっていうのに。
あの人達は、選択肢すら与えられず。
食べたくなくても、あの古ぼけたお店で、味気ない雑穀粥を食べるしかない。
この格差。
非魔導師なんて、雑穀粥だけ食ってりゃ充分だろw…とでも?
…そんな馬鹿な話があるかよ。
自分、さっき、「郷に入っては郷に従え」だ、って言ってたけど。
あれ、ちょっと撤回させてもらうわ。
従うったって、限度があるからな。
「…なぁ、あんたさんは、本気でそう思ってるのか?」
「はい?」
「青カード…。魔導師じゃない人には、エサでも与えておけば充分だ、って。本当にそう思ってるのか?」
「…??…はい…。…そうじゃないんですか?」
「…」
何を当たり前のことを、と言わんばかり。
「だって、彼らは『青カード』ですよ?魔法を使うことが出来ず、国家に貢献することも出来ない、人間の欠陥品です」
「…」
「この国に住まわせて、食べ物を与えてもらえるだけでも、感謝してもらわなくては」
案内人の男性は、愛想良くにこにこ笑いながら、そう言った。
成程、そう。そういうことね。
それが、このキルディリア魔王国の価値観な訳ね。
…よーく分かった。
「…腐ってんな…」
「え?」
あぁごめん、こっちの話。
「…キュレムさん。気持ちは分かりますけど」
俺が、我を失って抗弁すると思ったのか。
ルイーシュが、俺を抑えようと口を挟んだ。
ありがとうな。
確かに、ここがルーデュニア聖王国だったら。俺達の故郷だったら。
「何馬鹿なこと言ってんだ、馬鹿タレ!」と、鉄拳制裁してやったところだが。
残念ながらここは、キルディリア魔王国。
キルディリア魔王国なのだ。
…だから、俺には何も言えない。
「…そうか。説明ありがとう。よく分かったよ」
「ご理解いただけたようで、感謝致します」
…くそったれが。
「お粥を召し上がりたいなら、王宮の料理人に作らせます。『青カード』のエサなんかより、ずっと美味しい…魔導師様に相応しいものを」
「…」
「出来上がったらお持ち致しますので、お部屋で…」
「…いや。何も要らない」
食欲なんて、遥か彼方に消え失せてるに決まってるだろ。
ましてや…お粥なんて、当分見たくもない。
…お粥は何も悪くないけどな。
悪いのは、この国。
このキルディリア魔王国の、腐りきった体制だ。
俺とルイーシュは、今朝、山のような種類のパンや、サラダやスープや、フルーツをたらふく食べたっていうのに。
あの人達は、選択肢すら与えられず。
食べたくなくても、あの古ぼけたお店で、味気ない雑穀粥を食べるしかない。
この格差。
非魔導師なんて、雑穀粥だけ食ってりゃ充分だろw…とでも?
…そんな馬鹿な話があるかよ。
自分、さっき、「郷に入っては郷に従え」だ、って言ってたけど。
あれ、ちょっと撤回させてもらうわ。
従うったって、限度があるからな。
「…なぁ、あんたさんは、本気でそう思ってるのか?」
「はい?」
「青カード…。魔導師じゃない人には、エサでも与えておけば充分だ、って。本当にそう思ってるのか?」
「…??…はい…。…そうじゃないんですか?」
「…」
何を当たり前のことを、と言わんばかり。
「だって、彼らは『青カード』ですよ?魔法を使うことが出来ず、国家に貢献することも出来ない、人間の欠陥品です」
「…」
「この国に住まわせて、食べ物を与えてもらえるだけでも、感謝してもらわなくては」
案内人の男性は、愛想良くにこにこ笑いながら、そう言った。
成程、そう。そういうことね。
それが、このキルディリア魔王国の価値観な訳ね。
…よーく分かった。
「…腐ってんな…」
「え?」
あぁごめん、こっちの話。
「…キュレムさん。気持ちは分かりますけど」
俺が、我を失って抗弁すると思ったのか。
ルイーシュが、俺を抑えようと口を挟んだ。
ありがとうな。
確かに、ここがルーデュニア聖王国だったら。俺達の故郷だったら。
「何馬鹿なこと言ってんだ、馬鹿タレ!」と、鉄拳制裁してやったところだが。
残念ながらここは、キルディリア魔王国。
キルディリア魔王国なのだ。
…だから、俺には何も言えない。
「…そうか。説明ありがとう。よく分かったよ」
「ご理解いただけたようで、感謝致します」
…くそったれが。
「お粥を召し上がりたいなら、王宮の料理人に作らせます。『青カード』のエサなんかより、ずっと美味しい…魔導師様に相応しいものを」
「…」
「出来上がったらお持ち致しますので、お部屋で…」
「…いや。何も要らない」
食欲なんて、遥か彼方に消え失せてるに決まってるだろ。
ましてや…お粥なんて、当分見たくもない。
…お粥は何も悪くないけどな。
悪いのは、この国。
このキルディリア魔王国の、腐りきった体制だ。



