「…えーっと…?」
「えっ…。な、なんで…。ま、魔導師…様…!?」
は?魔導師?
目を真ん丸にした店員は、俺の顔を見ていなかった。
彼が見ているのは、俺が首からさげているネームホルダー。
そう、そこに入れた銀色の証明書である。
更に、ルイーシュの証明書も続けて見つめ、そして愕然としていた。
な、なんなん…。
「…キュレムさん。俺、今気づいたんですけど」
ルイーシュが、ちょいちょい、と俺の服の袖を引っ張った。
「何?」
「このお店にいる人、全員、証明書が青いです」
…え。
ルイーシュに指摘されて、初めて気づいた。
…ほんとだ。
お粥を啜っているお客も、カウンターの前に座っている店員も、みんな青い証明書を首からさげている。
銀色の証明書をさげているのは、この場で俺とルイーシュだけ。
成程、さっきからじろじろ見られる訳だ。
俺達は、さながら子羊の群れに迷い込んだ狼だったのだ。
それは知らなかった。
ってか、気づかなかった。
どうでも良くね?名札の色が何色だろうと。
青…ってことは…ここにいる人達は、みんな非魔導師か。
一方、俺とルイーシュの証明書は、銀色である。
このお店の中で、俺達だけが魔導師だってことだ。
…で、それが何なんだ?
別にどうでも良いし、関係ないし、他の客と同じように、お粥を売ってくれればそれで良いのだが。
「し、失礼しました…!」
目を白黒させながら、店員さんは慌てて立ち上がった。
「ま…まさか、魔導師様がこんなところにいらっしゃるとは思わず…!」
「…」
こんなところ、ってなんだよ。
ただの飯屋だろ?何処にでもある。
誰が入っても良い場所じゃねぇの?一見さんお断りなのか。
…と言うか、この人。突然敬語になったな。
「…それで、あの…。魔導師様が、こんなところに何の御用でしょうか…?」
また「こんなところ」って言ってるし。
あんたさん、自分の勤め先にもう少し誇りを持てよ。
しかも、「何の御用」と来た。
食べ物を売る店に来てるんだから、食べ物を買いに来たに決まってるだろうが。
他に何をしに来るんだ?
「いや…。表でみんなが食べてたお粥…」
「えっ…?」
「美味しそうに見えたから、一杯もらおうと思ったんだけど…」
「…」
「…」
…そんな、信じられないものでも見るような目で、ぽかんとしないでくれないか。
自分、なんか間違ったこと言ってる?言ってないよな?
「…せめて何か言ってくれよ」
「あ、いえ、あの…」
言葉に詰まる店員。
俺が責め立ててるみたいじゃないか。そんなつもりはないのに。
「えぇと…お言葉ですが、こういった店は、魔導師様の口には合わないかと…」
困り顔で、店員はしどろもどろしながら、そう答えた。
俺の口に合うかどうかなんて、あんたさんが決めることじゃない。
俺の口が決めることなんだが?
「ここは…魔導師様がいらっしゃるような場所ではありませんので…」
「…」
「ですから、あの…」
…これ以上自分達を困らせる前に、さっさと店から出ていってくれ、ってことな?
「えっ…。な、なんで…。ま、魔導師…様…!?」
は?魔導師?
目を真ん丸にした店員は、俺の顔を見ていなかった。
彼が見ているのは、俺が首からさげているネームホルダー。
そう、そこに入れた銀色の証明書である。
更に、ルイーシュの証明書も続けて見つめ、そして愕然としていた。
な、なんなん…。
「…キュレムさん。俺、今気づいたんですけど」
ルイーシュが、ちょいちょい、と俺の服の袖を引っ張った。
「何?」
「このお店にいる人、全員、証明書が青いです」
…え。
ルイーシュに指摘されて、初めて気づいた。
…ほんとだ。
お粥を啜っているお客も、カウンターの前に座っている店員も、みんな青い証明書を首からさげている。
銀色の証明書をさげているのは、この場で俺とルイーシュだけ。
成程、さっきからじろじろ見られる訳だ。
俺達は、さながら子羊の群れに迷い込んだ狼だったのだ。
それは知らなかった。
ってか、気づかなかった。
どうでも良くね?名札の色が何色だろうと。
青…ってことは…ここにいる人達は、みんな非魔導師か。
一方、俺とルイーシュの証明書は、銀色である。
このお店の中で、俺達だけが魔導師だってことだ。
…で、それが何なんだ?
別にどうでも良いし、関係ないし、他の客と同じように、お粥を売ってくれればそれで良いのだが。
「し、失礼しました…!」
目を白黒させながら、店員さんは慌てて立ち上がった。
「ま…まさか、魔導師様がこんなところにいらっしゃるとは思わず…!」
「…」
こんなところ、ってなんだよ。
ただの飯屋だろ?何処にでもある。
誰が入っても良い場所じゃねぇの?一見さんお断りなのか。
…と言うか、この人。突然敬語になったな。
「…それで、あの…。魔導師様が、こんなところに何の御用でしょうか…?」
また「こんなところ」って言ってるし。
あんたさん、自分の勤め先にもう少し誇りを持てよ。
しかも、「何の御用」と来た。
食べ物を売る店に来てるんだから、食べ物を買いに来たに決まってるだろうが。
他に何をしに来るんだ?
「いや…。表でみんなが食べてたお粥…」
「えっ…?」
「美味しそうに見えたから、一杯もらおうと思ったんだけど…」
「…」
「…」
…そんな、信じられないものでも見るような目で、ぽかんとしないでくれないか。
自分、なんか間違ったこと言ってる?言ってないよな?
「…せめて何か言ってくれよ」
「あ、いえ、あの…」
言葉に詰まる店員。
俺が責め立ててるみたいじゃないか。そんなつもりはないのに。
「えぇと…お言葉ですが、こういった店は、魔導師様の口には合わないかと…」
困り顔で、店員はしどろもどろしながら、そう答えた。
俺の口に合うかどうかなんて、あんたさんが決めることじゃない。
俺の口が決めることなんだが?
「ここは…魔導師様がいらっしゃるような場所ではありませんので…」
「…」
「ですから、あの…」
…これ以上自分達を困らせる前に、さっさと店から出ていってくれ、ってことな?



