神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

…ようやく。

ようやく…一息つけるな。

俺は、荷物を床に置いた。

そして、部屋の中を見渡す。

「…ここ、監視されたりしてんのかね?」

「それは充分に有り得ることですね」

「…監視はともかく、盗聴されてたら厄介だな」

出来るだけ、ちっちゃい声で…仮に盗聴されていても、聞こえない声で喋るしかない。

…ジュリスやベリクリーデちゃんは、キルディリア魔王国に潜入して、大変な思いをしただろうに。

俺とルイーシュは、こんなに至れり尽くせりで良いんかなぁ。

こんなつまんない…証明書のカードのせいで。

「…こんなカードがなぁ…。…大事なもののようには見えんけど」

俺は、ネームホルダーを指先で弄った。

とりあえず今のところは、俺の証明書は銀色だが。

イシュメル女王が戻ってきたら、恐らく、金色のカードに昇格するらしい。

「小学生の名札みたいですね」

と、身も蓋もないルイーシュ。

まったくだぜ。

「まぁとりあえず、上手いこと王宮に潜り込めたことを喜ぶか…。今後は出来るだけ目立たないようにふるま、」

「ふわぁ…。ようやく、波に揺られることなく眠れますね」

は?

ルイーシュは、広いベッドに腰掛け。

そのまま、ふっかふかの枕にばふっ、と頭を乗せた。

「おい、ちょっと待てよ。せめてシャワーくらい浴び、」

「既に3ヶ月くらい労働したような気がしますよ。寝ます。おやすみなさーい」

「あ、コラ!」

「…zzz…」

マジかよ。もう寝てんの?

はやっ…。瞬間湯沸かし器でももう少し遅いぞ。

「…はー…」

どうするよ、俺。

どうもこうも…ルイーシュがダウンしちゃったら、一人で動くことは出来ないし。

ついでに言うと、俺も多少なりとも疲れてるからな。

…仕方ない。

「…俺も寝るか」

明日からどうするかは、明日考えるよ。

明日から本気出す。

じゃ、おやすみ。