俺は後ろに歩いて、カウンターから100メートル以上離れた。
「ちょっと!あなた、何処に…!」
俺が逃げようとしていると思ったのか、入国審査官は声を上げようとしたが。
俺の意図をいち早く察したルイーシュが、それを制した。
ありがと。
俺は、愛用の魔銃を2丁、その場に召喚した。
「魔弾装填」
魔銃に魔弾を込め、狙いを研ぎ澄ませる。
狙うは、あの花瓶のアネモネ。
そのまま、引き金を数回絞る。
ぱしゅ、ぱしゅっと乾いた音がして、程良く威力を絞った魔弾が、1輪のアネモネに命中。
花びらが1枚ずつ、額から剥がれ落ち、はらはらと花瓶の下に舞った。
あっという間に、茎と葉っぱだけにされた、気の毒なアネモネ。
ごめんな。君に罪はない。
でも、俺の力を証明するには、やっぱり魔弾を使うのが一番だと思って。
「…」
これを見て、さっきまで訝しげな表情をしていた入国審査官は。
口をぽかーんと開けて、床に落ちた花びらを見つめていた。
大丈夫か?
「…とまぁ、俺の魔法って…こんな感じなんですけど…」
「…」
「…信じてもらえました?」
これで「やっぱりダメ」って言われたら、もうどうやって証明したら良いのか分からねぇよ。
すると。
「…あ、は、はい。分かりました。あなたは確かに、魔導師ですね」
納得してくれたようだ。
それは何より。
「では、お連れ様も魔法を使って見せてください」
今度は、くるりとルイーシュの方を向いて頼んだ。
俺一人だけじゃ、パスさせてくれないらしい。
何人連れであろうと、家族だろうと、一人ずつ魔法を使わせないと、証明したことにはならないのだ。
だが、心配しなくても、ルイーシュは魔法の腕「だけ」は、俺よりも優秀だ。
「そうですね…。では、rtanspotr」
ルイーシュは、愛用の杖を軽く振った。
すると、途端に。
俺、ルイーシュ、入国審査官の女性の3人は。
遠く、遥か空の上に、空間転移された。
まさかの空中浮遊。
「え、え、えぇぇぇぇ!?」
これには入国審査官も目を丸くして、叫んでいた。
そりゃそうなる。
さっきまで地上の、建物の中だったのに。一瞬にして空の上に瞬間移動されちゃ。
「じゃ、戻りますね。再度、rtanspotr」
「ひぇっ…」
ルイーシュがもう一回杖を振ると、元の場所に戻ってきた。
何事もなかったかのように。
ルイーシュお得意の、空間魔法である。
俺はもう慣れたもんだが、入国審査官にとっては、驚愕の体験だったようで。
何が起こったか分からない、みたいな顔で、目を白黒させていた。
まぁ、無理もない。
多分誰でも、初見はビビる。
「い、い…今のは…?」
「空間魔法ですよ。キルディリアにもあるのでは?」
しれっ、と言うルイーシュ。
「空間魔法…!ここまで高度な…?」
キルディリア魔王国の空間魔法のレベルって、どんなもんなのかね。
「我々が魔導師だってこと、信じてもらえました?」
「も、勿論です…!ようこそいらっしゃいました、魔導師様」
にっこりと微笑む、入国審査官の女性。
素晴らしい笑顔だな、おい。
「…で、俺達、さっきも言った通り亡命させて欲しいんだけど…」
「畏まりました。亡命希望ですね?ようこそ、キルディリア魔王国へ」
「…」
…え?マジ?
「ちょっと!あなた、何処に…!」
俺が逃げようとしていると思ったのか、入国審査官は声を上げようとしたが。
俺の意図をいち早く察したルイーシュが、それを制した。
ありがと。
俺は、愛用の魔銃を2丁、その場に召喚した。
「魔弾装填」
魔銃に魔弾を込め、狙いを研ぎ澄ませる。
狙うは、あの花瓶のアネモネ。
そのまま、引き金を数回絞る。
ぱしゅ、ぱしゅっと乾いた音がして、程良く威力を絞った魔弾が、1輪のアネモネに命中。
花びらが1枚ずつ、額から剥がれ落ち、はらはらと花瓶の下に舞った。
あっという間に、茎と葉っぱだけにされた、気の毒なアネモネ。
ごめんな。君に罪はない。
でも、俺の力を証明するには、やっぱり魔弾を使うのが一番だと思って。
「…」
これを見て、さっきまで訝しげな表情をしていた入国審査官は。
口をぽかーんと開けて、床に落ちた花びらを見つめていた。
大丈夫か?
「…とまぁ、俺の魔法って…こんな感じなんですけど…」
「…」
「…信じてもらえました?」
これで「やっぱりダメ」って言われたら、もうどうやって証明したら良いのか分からねぇよ。
すると。
「…あ、は、はい。分かりました。あなたは確かに、魔導師ですね」
納得してくれたようだ。
それは何より。
「では、お連れ様も魔法を使って見せてください」
今度は、くるりとルイーシュの方を向いて頼んだ。
俺一人だけじゃ、パスさせてくれないらしい。
何人連れであろうと、家族だろうと、一人ずつ魔法を使わせないと、証明したことにはならないのだ。
だが、心配しなくても、ルイーシュは魔法の腕「だけ」は、俺よりも優秀だ。
「そうですね…。では、rtanspotr」
ルイーシュは、愛用の杖を軽く振った。
すると、途端に。
俺、ルイーシュ、入国審査官の女性の3人は。
遠く、遥か空の上に、空間転移された。
まさかの空中浮遊。
「え、え、えぇぇぇぇ!?」
これには入国審査官も目を丸くして、叫んでいた。
そりゃそうなる。
さっきまで地上の、建物の中だったのに。一瞬にして空の上に瞬間移動されちゃ。
「じゃ、戻りますね。再度、rtanspotr」
「ひぇっ…」
ルイーシュがもう一回杖を振ると、元の場所に戻ってきた。
何事もなかったかのように。
ルイーシュお得意の、空間魔法である。
俺はもう慣れたもんだが、入国審査官にとっては、驚愕の体験だったようで。
何が起こったか分からない、みたいな顔で、目を白黒させていた。
まぁ、無理もない。
多分誰でも、初見はビビる。
「い、い…今のは…?」
「空間魔法ですよ。キルディリアにもあるのでは?」
しれっ、と言うルイーシュ。
「空間魔法…!ここまで高度な…?」
キルディリア魔王国の空間魔法のレベルって、どんなもんなのかね。
「我々が魔導師だってこと、信じてもらえました?」
「も、勿論です…!ようこそいらっしゃいました、魔導師様」
にっこりと微笑む、入国審査官の女性。
素晴らしい笑顔だな、おい。
「…で、俺達、さっきも言った通り亡命させて欲しいんだけど…」
「畏まりました。亡命希望ですね?ようこそ、キルディリア魔王国へ」
「…」
…え?マジ?



