俺達の心配と、不安と、船酔いをよそに。
船は、無事にキルディリア魔王国の港に辿り着いた。
とりあえず、無事に辿り着くことは出来たな。
あんまり船が揺れるから、「これ、沈没しないよな…?」って心配だった。
ちゃんと着いた。良かった。
…って、「本番」はこれからなんだよ。
船から港に降り立った俺達は、そのまま、港に併設されている入国検問所に連れて行かれた。
そこで、入国審査の長い列に並ばされた。
15分くらい待たされて、ようやく俺とルイーシュの番がやって来た。
「はい、次の方。どうぞー」
「…ルイーシュ、いよいよだぞ。俺が先に行くから、上手いこと合わせてくれ」
「はいはい」
…意を決して。
俺は、入国審査官のカウンターの前に立った。
「ようこそ、キルディリア魔王国へ」
「あ、はい。どうも…」
…にこやかな、女性の入国審査官だが。
俺は騙されないぞ。
ジュリスに話を聞いたからな。
相手が「魔導師じゃない」と知ったら、この愛想の良い態度は一変するということを。
「キルディリア魔王国には、ご旅行ですか?」
「いえ…あの、ぼ、ぼうっ…」
「…ぼう?」
「亡命、しに来ました」
「…」
言った。言ってやったぞ。
よく言った、俺。
「亡命させて下さい」
再度、はっきりそう頼むと。
にこやかだった入国審査官が、すっ、と目を細くした。
「亡命…。…あなたは魔導師の方ですか?」
「あ、はい。一応」
「そちらの方も?」
「はい。こいつも、あ、彼も魔導師です」
「では、今ここで証明してもらえますか?」
出た。
キルディリア魔王国の入国審査特有の、魔法実験。
自分が魔導師であるという証明する為に、入国審査官の前で魔法を使わせられると言う。
この時、うっかり「魔導師じゃありません」と言ってしまったせいで。
ベリクリーデちゃんは、キルディリア魔王国で酷い目に遭ったそうだ。
俺達は、その失敗を繰り返す訳にはいかない。
それどころか、俺もルイーシュも、ここで上級魔導師に…。
金色の証明書を、発行してもらわなければならないのだ。
気は抜けないぞ。
「勿論です。…えぇと、俺はマギアシューターなんですが…」
「そうですか。では証明してください」
取り付く島もないって感じだな。
俺は、周囲をぐるっと見渡した。
すると、入国審査のカウンターの横に、花瓶が置いてあることに気付いた。
花瓶には、色とりどりのアネモネの切り花が飾られていた。
…よし。あれを使わせてもらおう。
「あのー…。この花、1輪犠牲にしても良いですか?」
「犠牲?どういう意味ですか。早く魔導師であることを証明してください」
分かった、分かったって。
じゃあ、ちょっとやらせてもらうか。
船は、無事にキルディリア魔王国の港に辿り着いた。
とりあえず、無事に辿り着くことは出来たな。
あんまり船が揺れるから、「これ、沈没しないよな…?」って心配だった。
ちゃんと着いた。良かった。
…って、「本番」はこれからなんだよ。
船から港に降り立った俺達は、そのまま、港に併設されている入国検問所に連れて行かれた。
そこで、入国審査の長い列に並ばされた。
15分くらい待たされて、ようやく俺とルイーシュの番がやって来た。
「はい、次の方。どうぞー」
「…ルイーシュ、いよいよだぞ。俺が先に行くから、上手いこと合わせてくれ」
「はいはい」
…意を決して。
俺は、入国審査官のカウンターの前に立った。
「ようこそ、キルディリア魔王国へ」
「あ、はい。どうも…」
…にこやかな、女性の入国審査官だが。
俺は騙されないぞ。
ジュリスに話を聞いたからな。
相手が「魔導師じゃない」と知ったら、この愛想の良い態度は一変するということを。
「キルディリア魔王国には、ご旅行ですか?」
「いえ…あの、ぼ、ぼうっ…」
「…ぼう?」
「亡命、しに来ました」
「…」
言った。言ってやったぞ。
よく言った、俺。
「亡命させて下さい」
再度、はっきりそう頼むと。
にこやかだった入国審査官が、すっ、と目を細くした。
「亡命…。…あなたは魔導師の方ですか?」
「あ、はい。一応」
「そちらの方も?」
「はい。こいつも、あ、彼も魔導師です」
「では、今ここで証明してもらえますか?」
出た。
キルディリア魔王国の入国審査特有の、魔法実験。
自分が魔導師であるという証明する為に、入国審査官の前で魔法を使わせられると言う。
この時、うっかり「魔導師じゃありません」と言ってしまったせいで。
ベリクリーデちゃんは、キルディリア魔王国で酷い目に遭ったそうだ。
俺達は、その失敗を繰り返す訳にはいかない。
それどころか、俺もルイーシュも、ここで上級魔導師に…。
金色の証明書を、発行してもらわなければならないのだ。
気は抜けないぞ。
「勿論です。…えぇと、俺はマギアシューターなんですが…」
「そうですか。では証明してください」
取り付く島もないって感じだな。
俺は、周囲をぐるっと見渡した。
すると、入国審査のカウンターの横に、花瓶が置いてあることに気付いた。
花瓶には、色とりどりのアネモネの切り花が飾られていた。
…よし。あれを使わせてもらおう。
「あのー…。この花、1輪犠牲にしても良いですか?」
「犠牲?どういう意味ですか。早く魔導師であることを証明してください」
分かった、分かったって。
じゃあ、ちょっとやらせてもらうか。



