キルディリア・アーリヤット戦争が終結した、二日後。
俺とシルナは、王宮の…フユリ様のもとを訪ねた。
ここ最近、ずっと浮かない顔のフユリ様だったが…。
「フユリ様…。…心中お察し致します」
「…ありがとうございます。シルナ学院長」
今日のフユリ様は、またかつてないほどに疲れた顔をしていた。
…それもそうだろう。
この二日間で、俺達はまた新たな情報を入手していた。
アーリヤット皇国の無条件降伏によって、両国の戦争は終わった。
キルディリア魔王国軍は、高々とキルディリアの国旗を掲げ、堂々とアーリヤット皇国の領土に上陸。
ナツキ様率いる旧アーリヤット政府は解体。キルディリアのイシュメル女王が樹立した、新政府による統治が開始された。
これらの動きは、非常に早かった。
キルディリアは、アーリヤット皇国の領土にさっさと上陸するなり。
さっさと新しい政府を樹立して、さっさとアーリヤット皇国を支配してしまったのだ。
抵抗する暇も、隙もないうちに。
瞬く間にキルディリア魔王国の占領下に入ったアーリヤット皇国の民は、逃げることはおろか。
多分、心の準備すら出来ないままに、あっという間に国を滅ぼされたのである。
アーリヤット皇国民の混乱と動揺を思うと、非常に心苦しい。
イシュメル女王は、何もかも周到に用意していたのだろう。
どうやってアーリヤット皇国を征服し、どうやって支配するか。
そして、その通りに実現してみせたのだ。
恐ろしいと言う他ない。
アーリヤット皇国は、罠に嵌められた獲物のように、なす術なくイシュメル女王の手のひらの上で…。
「アーリヤット皇国は…このまま、キルディリア魔王国の植民地にされてしまうのでしょうか」
「そうですね…。それでもアーリヤット皇国では、各地で反乱やデモが起きているようです」
…それもそうだろう。
突然国を支配されて、黙っていられるはずがない。
当然、たくさんの国民達が、キルディリアの支配に反発している。
「しかし…それらの反対運動は、キルディリア魔王国軍によって、ことごとく鎮圧されているそうです」
「そんな…。キルディリア魔王国は、アーリヤット国民を力で支配しようと言うのですか」
「はい…。キルディリア国軍占領後、既に数多くの死傷者が出ているとか…」
「…」
…なんということを。
力でアーリヤット皇国に押し入り、力で国民を支配する。
そんなやり方では…。余計に、多くの血が流れるだけだ。
「更に…キルディリア魔王国軍は、アーリヤット皇国内の魔導師達を扇動し…。非魔導師の一般国民を支配させているということです」
何だって?
魔導師を優遇し、非魔導師を弾圧する。
キルディリア魔王国で行われている…キルディリアの骨子とも言える国策である。
それを、アーリヤット皇国でも実践するつもりなのか?
「元々アーリヤット皇国では、兄の方針により、魔導師の立場はとても低かった…。当然アーリヤット皇国の魔導師は、不満を溜め込んでいたことでしょう」
「ならば…魔導師を優遇するキルディリア魔王国の進駐は、アーリヤット皇国の魔導師達にとっては僥倖ですね」
これまでアーリヤット皇国の魔導師達は、魔導師嫌いのナツキ様の支配下で、辛酸を舐めさせられてきた。
しかし、キルディリア魔王国はナツキ様の方針とは正反対に、魔導師を厚遇する政策を取っている。
そうすると、アーリヤット皇国の魔導師達は、これまでの扱いとは一転。
彼らにとっては、ようやく自分達の理解者が現れた、というところだろう。
俺とシルナは、王宮の…フユリ様のもとを訪ねた。
ここ最近、ずっと浮かない顔のフユリ様だったが…。
「フユリ様…。…心中お察し致します」
「…ありがとうございます。シルナ学院長」
今日のフユリ様は、またかつてないほどに疲れた顔をしていた。
…それもそうだろう。
この二日間で、俺達はまた新たな情報を入手していた。
アーリヤット皇国の無条件降伏によって、両国の戦争は終わった。
キルディリア魔王国軍は、高々とキルディリアの国旗を掲げ、堂々とアーリヤット皇国の領土に上陸。
ナツキ様率いる旧アーリヤット政府は解体。キルディリアのイシュメル女王が樹立した、新政府による統治が開始された。
これらの動きは、非常に早かった。
キルディリアは、アーリヤット皇国の領土にさっさと上陸するなり。
さっさと新しい政府を樹立して、さっさとアーリヤット皇国を支配してしまったのだ。
抵抗する暇も、隙もないうちに。
瞬く間にキルディリア魔王国の占領下に入ったアーリヤット皇国の民は、逃げることはおろか。
多分、心の準備すら出来ないままに、あっという間に国を滅ぼされたのである。
アーリヤット皇国民の混乱と動揺を思うと、非常に心苦しい。
イシュメル女王は、何もかも周到に用意していたのだろう。
どうやってアーリヤット皇国を征服し、どうやって支配するか。
そして、その通りに実現してみせたのだ。
恐ろしいと言う他ない。
アーリヤット皇国は、罠に嵌められた獲物のように、なす術なくイシュメル女王の手のひらの上で…。
「アーリヤット皇国は…このまま、キルディリア魔王国の植民地にされてしまうのでしょうか」
「そうですね…。それでもアーリヤット皇国では、各地で反乱やデモが起きているようです」
…それもそうだろう。
突然国を支配されて、黙っていられるはずがない。
当然、たくさんの国民達が、キルディリアの支配に反発している。
「しかし…それらの反対運動は、キルディリア魔王国軍によって、ことごとく鎮圧されているそうです」
「そんな…。キルディリア魔王国は、アーリヤット国民を力で支配しようと言うのですか」
「はい…。キルディリア国軍占領後、既に数多くの死傷者が出ているとか…」
「…」
…なんということを。
力でアーリヤット皇国に押し入り、力で国民を支配する。
そんなやり方では…。余計に、多くの血が流れるだけだ。
「更に…キルディリア魔王国軍は、アーリヤット皇国内の魔導師達を扇動し…。非魔導師の一般国民を支配させているということです」
何だって?
魔導師を優遇し、非魔導師を弾圧する。
キルディリア魔王国で行われている…キルディリアの骨子とも言える国策である。
それを、アーリヤット皇国でも実践するつもりなのか?
「元々アーリヤット皇国では、兄の方針により、魔導師の立場はとても低かった…。当然アーリヤット皇国の魔導師は、不満を溜め込んでいたことでしょう」
「ならば…魔導師を優遇するキルディリア魔王国の進駐は、アーリヤット皇国の魔導師達にとっては僥倖ですね」
これまでアーリヤット皇国の魔導師達は、魔導師嫌いのナツキ様の支配下で、辛酸を舐めさせられてきた。
しかし、キルディリア魔王国はナツキ様の方針とは正反対に、魔導師を厚遇する政策を取っている。
そうすると、アーリヤット皇国の魔導師達は、これまでの扱いとは一転。
彼らにとっては、ようやく自分達の理解者が現れた、というところだろう。



