神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「うぅ〜…。やってもやっても、まだ終わらない…」

「…そうだな…」

その時シルナは、学院長室で、珍しく真面目に仕事をしていた。

もう一度言う。珍しく、真面目に仕事をしている。

…本当に珍しいよなぁ。

いつもこの時間は、「今日のおやつ〜♪」とか言いながら、チョコ菓子を貪ってるのに。

と、いうのも。

いつも通り、チョコ菓子を机の上にいっぱい並べて、食べ始めようとしたその時。

イレースが学院長室を訪ねてきて、机の上のチョコ菓子に眉をひそめ。

「そんなに暇なら、テストの採点くらいしてください」とか言って。

大量の小テストを、ドサッ、とシルナの机に置いてきたのである。

この量、多分全校生徒全員分だぞ。

当然、シルナは目を白黒とさせながら、抗議しようとした。

「え、ちょ、待って。何?この量っ?」

「本日行った、全校抜き打ちテストの解答用紙てすが」

「全校抜き打ちっ…?いつの間に?私、そんなの聞いてないよっ?」

「抜き打ちですから。事前にあなたに知らせて、うっかり口を滑らせられでもしたら意味がありません」

「うぐっ…」

すぐに顔に出るもんな。シルナは。

「明日には生徒達に返却したいので。今晩中に全部採点しておいてくださいね」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってイレースちゃん。私、これからおやつタイム、」

「来年度の学院長のおやつ予算を全額カットされたくなかったら、死に物狂いで頑張ることですね」

「ひぇっ…」

「それでは」

と言って、イレースは颯爽と学院長室から出ていった。

…で、残されたシルナは。

「…ひぐっ。ぐすっ…」

半泣きで、赤ペンを手に、小テストの採点を始めたのである。

…なんつーか、まぁ、なんだ。

…ドンマイ。

この世には、逆らってはいけない者がいる。…イレースとかな。

そんな訳で、今日のシルナは珍しく。

おやつタイムそっちのけで、一生懸命、小テストの採点作業に励んでいる。

「終わらないよ〜っ。何枚やっても終わらないよーっ」

…弱音を吐きながら。