神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「良かった、無事に戻ってきてくれて…!ずっと心配だったんだよ」

「そ、そんな…。大袈裟ですよ」

大袈裟なもんか。

シュニィ達が行ったのは、「あの」キルディリア魔王国だ。

俺とシルナが、キルディリア魔王国に囚われていたように。

シュニィと無闇も、同じ目に遭うんじゃないかって…。

「心配してくれて、ありがとうございます…。でも、私は大丈夫です」

「この通り、無傷で戻ってきた」

シュニィと無闇が、順番に言った。

だが…。…シュニィは何処か、浮かない顔をしていた。

「シュニィ…。大丈夫か?具合でも悪いのか」

「あ、いえ…その…」

「…まぁ、そりゃキルディリア魔王国になんて行けば、そんな顔にもなるだろうが…」

多分俺もキルディリアにいた頃は、そんな顔してたと思うぞ。

しかし、シュニィが浮かない顔をしていたのは、それが理由ではなく。

「…すみません。私、学院長先生に謝らなければならないことがあります」

「え?」

「残念ながら、和平交渉は決裂した」

無闇が、シルナに向かってそう言った。

…。

「…私の力が及ばず。申し訳ありません…」

申し訳なさそうな表情のシュニィ。

そうか…。…駄目だったか。

「そんな…シュニィちゃんのせいじゃないよ」

「そうだよ。あの国に行って、女王に会って、五体満足で帰ってこられたんだから御の字だ」

シルナが慌てて慰め、俺もシュニィを励ますように、そう言った。

シュニィも無闇も、かつて俺達がそうされたように、キルディリア魔王国に強引に引き留められるかもしれない、と心配していたのだ。

それなのに、ちゃんと無事に、二人揃って帰ってきたのだから…それ以上大切なことはない。

「キルディリアで何があったのか、聞いても良いかな?」

「はい…」

シルナが問いかけると、シュニィは浮かない顔のまま…キルディリア魔王国であったことを、順序立てて説明してくれた。