神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「シュニィちゃん達のことも、勿論心配だけどさ…。アイナちゃんとレグルス君のことも心配だよね…」

と、シルナが言い出した。

…アイナと、レグルス?

「お母さんのシュニィちゃんがいなくて、寂しがってないかな?」

「そうだな…」

二人共、まだ幼い。

母親であるシュニィの不在で、寂しがっていなければ良いのだが。

「まぁ、アトラスがついてるから…。ちゃんと面倒見てくれてるだろ」

アトラスって、大雑把な性格してるように見えて。

家族に対しては、非常に愛情深く、細やかな気遣いが出来る奴だから。

まして、愛娘と愛息子に関することならば、余計に。

「だけど…。でも、シュニィちゃんがいるのといないのとじゃ、全然違うでしょ?」

「そりゃ…まぁ、そうだけど…」

「以前、シュニィちゃんがマシュリ君に捕らわれて、行方が分からなかった時も…。アイナちゃん、凄く寂しがってたし…」

「…」

…そういや、そんなこともあったな。

あの時は、実際には凄く近くにいたんだっけ。

母親のシュニィがいなくても、帰ってくるまで良い子で頑張る、と。

健気にそう言っていた、アイナの姿を思い出す。

本当に良い子だよなぁ、あの子…。

「シルナ…。アイナはきっと…」

と、俺が言いかけた時。

「…よし、差し入れ持っていってあげよう!」

は?

シルナは、勢いよく椅子から立ち上がった。

「寂しがってるアイナちゃんとレグルス君に、チョコケーキを差し入れしてあげよう。チョコケーキを食べたら、きっと元気になるよね!」

「いや…。それで元気になるのは、お前くらいだと思うけど…」

「じゃあ羽久。今からシュニィちゃん家に行ってこよう!差し入れを持って!」

「ちょ、ちょっと待て、コラ。シルナ!」

俺は、弾丸のように飛び出していくシルナを、慌てて追いかけた。