イシュメル女王の逆鱗に触れやしないかと、私は内心はらはらしていた。
止めるべきだろうか?
いや、でも、無闇さんの言っている言葉は、私の気持ちを代弁したものでもあった。
「居心地が悪い…じゃと?」
「そうだ。いくらなんでも、魔導師と非魔導師の差別が露骨過ぎる」
「力ある者が重用され、力なき者は淘汰される。自然の理よ」
「そうだとしても、ここまで差別があからさまだと、見ていて気分が悪い。魔法が使えない者を、上から目線で見下ろして満足か?」
はらはら。
無闇さん、分かりますけど。あなたの言いたいことは、よく分かりますけど。
さすがに、そろそろイシュメル女王も気分を害したのでは?
ちらりとイシュメル女王を見ると、彼女は扇で口元を隠し、無表情を装っていた。
目が笑ってないので、多分不機嫌だと思います。
「魔導の才というものは、生まれながらに持ち合わせているものだ。自分の意志でどうにか出来るものじゃない」
「…だから?」
「努力の結果得た才でもない。そんなものを誇って嬉しいか?虚しくなるだけだと思わないのか」
…。…無闇さん。
本当に…その通りですよね。
「お前の言う『力』を以てして、それで他者を抑えつけようとするなら、この地に追放されてきた、遠いキルディリアの祖先達が受けた差別と何ら変わらない。その負の歴史を、もう一度繰り返そうというのか」
「ふむ…。そうか」
頷くイシュメル女王。
「さすがは、聖賢者の弟子達よ。師匠と似たようなことを言いおるわ」
学院長先生も…。
「俺はシルナ・エインリーの弟子ではないがな」
と、無闇さん。
そ、そうですけど。
「…それで?そんなご立派な考えのルーデュニア魔導師が、遥々我が国までやって来て、何の用じゃ?」
イシュメル女王が、私達にそう尋ねた。
「まさか、そんなくだらぬ嫌味を言う為に来た訳ではあるまい?」
くだらない嫌味だなんて…。
…だけど、イシュメル女王の言う通りだ。
私と無闇さんは、何もキルディリア魔王国の政治体制について、文句をつけに来た訳じゃない。
今がチャンスだ。
「…イシュメル陛下、お願いします。アーリヤット皇国から手を引いてください」
長い前置きが終わり。
私は、ようやく本題を切り出すことに成功した。
止めるべきだろうか?
いや、でも、無闇さんの言っている言葉は、私の気持ちを代弁したものでもあった。
「居心地が悪い…じゃと?」
「そうだ。いくらなんでも、魔導師と非魔導師の差別が露骨過ぎる」
「力ある者が重用され、力なき者は淘汰される。自然の理よ」
「そうだとしても、ここまで差別があからさまだと、見ていて気分が悪い。魔法が使えない者を、上から目線で見下ろして満足か?」
はらはら。
無闇さん、分かりますけど。あなたの言いたいことは、よく分かりますけど。
さすがに、そろそろイシュメル女王も気分を害したのでは?
ちらりとイシュメル女王を見ると、彼女は扇で口元を隠し、無表情を装っていた。
目が笑ってないので、多分不機嫌だと思います。
「魔導の才というものは、生まれながらに持ち合わせているものだ。自分の意志でどうにか出来るものじゃない」
「…だから?」
「努力の結果得た才でもない。そんなものを誇って嬉しいか?虚しくなるだけだと思わないのか」
…。…無闇さん。
本当に…その通りですよね。
「お前の言う『力』を以てして、それで他者を抑えつけようとするなら、この地に追放されてきた、遠いキルディリアの祖先達が受けた差別と何ら変わらない。その負の歴史を、もう一度繰り返そうというのか」
「ふむ…。そうか」
頷くイシュメル女王。
「さすがは、聖賢者の弟子達よ。師匠と似たようなことを言いおるわ」
学院長先生も…。
「俺はシルナ・エインリーの弟子ではないがな」
と、無闇さん。
そ、そうですけど。
「…それで?そんなご立派な考えのルーデュニア魔導師が、遥々我が国までやって来て、何の用じゃ?」
イシュメル女王が、私達にそう尋ねた。
「まさか、そんなくだらぬ嫌味を言う為に来た訳ではあるまい?」
くだらない嫌味だなんて…。
…だけど、イシュメル女王の言う通りだ。
私と無闇さんは、何もキルディリア魔王国の政治体制について、文句をつけに来た訳じゃない。
今がチャンスだ。
「…イシュメル陛下、お願いします。アーリヤット皇国から手を引いてください」
長い前置きが終わり。
私は、ようやく本題を切り出すことに成功した。



