私達が、ルーデュニア聖王国からの…。…シルナ・エインリー学院長の使いだと知らせると。
大歓迎ムードで、すぐさまイシュメル女王のいる王の間に通された。
「おぉ。よく来たな、ルーデュニアの使者達よ」
玉座に腰掛けたイシュメル女王は、ふわふわとした飾りのついた豪奢な扇を、口元に当て。
「苦しゅうないぞ。ちこうよれ」
「…」
…門前払いされなかったことは、有り難いのだが。
しかし、シルナ学院長先生は、逃げるようにこの国を出ていき。
その後、イーニシュフェルト魔導学院とキルディリア魔王国軍との間で、一悶着あったばかりなのだ。
もっと警戒され、敵意を向けられ、捕虜のように扱われることさえ、覚悟していたというのに。
まるで、大事な客人を迎えるかのような歓迎ぶり。
これには、戸惑いを隠せなかった。
「…イシュメル陛下…」
「おぬしらが来ると知っていれば、港に迎えを寄越し、盛大な宴を用意してやったものを」
「…」
「まぁ、今からでも遅くはないわ。今夜は、おぬしらを歓迎する宴を催そう。すぐに準備を…」
「イシュメル陛下。…有り難いお申し出ですが、そのようなおもてなしは…」
宴なんて…。私達は、旅行しに来た訳ではないのだから。
「…なんじゃ。冷や水でも飲ませられたような顔をして。なんぞ不満がある?」
…そう。そんな顔になってましたか?
「そんな…。不満などは…」
「遠慮をする必要はないぞ。おぬし、その髪の色と瞳の色…アルデン人じゃろう」
「…!」
思わず、私は身体を緊張させた。
私はこれまで、至るところで、たくさんの人に「薄汚いアルデン人」と蔑まれ。
その度に、胸が締め付けられるような思いをしてした。
シルナ学院長先生や、羽久さんや…それに誰よりも、アトラスさんに出会ってから。
こんな私でも、価値があるしれないと思えるようになったけど。
私を認めてくれる優しい人々と出会う前は、誰も信じられない、という酷い人間不信に陥っていたこともある。
その嫌な記憶を、再び思い出した。
…しかし、イシュメル女王は。
「そう緊張する必要はない。おぬしがアルデン人だろうと関係ないわ」
「…」
「わらわがいる限り、この城で、おぬしがアルデン人だからと蔑視する者はおらんと、太鼓判を押してやってもよいぞ」
…意外だった。
人種による差別は、この国にはないらしい。
「何よりおぬしらは、かのイーニシュフェルトの聖賢者…。シルナ・エインリーの使いじゃ。歓待してやらねば、かの聖賢者殿に失礼というものよ」
「…そうですか。…それは光栄です」
イシュメル女王は、扇で口元を隠しながら、愉快そうに微笑んだ。
…この人が何を考えているのか、いまいち読めない。
交渉相手としては、非常に難しい。
何と言って、本題を切り出したものか…。
「うむ。この国にいる間は、わらわの名において、おぬしらに不自由な思いはさせまいぞ。王宮に部屋を用意しよう。そこでゆるりと…」
「人種による差別はしないのに、非魔導師のことは平気で差別するんだな」
「む、無闇さんっ…?」
言葉に詰まる、私の代わりに。
容赦なく、無闇さんはイシュメル女王に向かって口を開いた。
大歓迎ムードで、すぐさまイシュメル女王のいる王の間に通された。
「おぉ。よく来たな、ルーデュニアの使者達よ」
玉座に腰掛けたイシュメル女王は、ふわふわとした飾りのついた豪奢な扇を、口元に当て。
「苦しゅうないぞ。ちこうよれ」
「…」
…門前払いされなかったことは、有り難いのだが。
しかし、シルナ学院長先生は、逃げるようにこの国を出ていき。
その後、イーニシュフェルト魔導学院とキルディリア魔王国軍との間で、一悶着あったばかりなのだ。
もっと警戒され、敵意を向けられ、捕虜のように扱われることさえ、覚悟していたというのに。
まるで、大事な客人を迎えるかのような歓迎ぶり。
これには、戸惑いを隠せなかった。
「…イシュメル陛下…」
「おぬしらが来ると知っていれば、港に迎えを寄越し、盛大な宴を用意してやったものを」
「…」
「まぁ、今からでも遅くはないわ。今夜は、おぬしらを歓迎する宴を催そう。すぐに準備を…」
「イシュメル陛下。…有り難いお申し出ですが、そのようなおもてなしは…」
宴なんて…。私達は、旅行しに来た訳ではないのだから。
「…なんじゃ。冷や水でも飲ませられたような顔をして。なんぞ不満がある?」
…そう。そんな顔になってましたか?
「そんな…。不満などは…」
「遠慮をする必要はないぞ。おぬし、その髪の色と瞳の色…アルデン人じゃろう」
「…!」
思わず、私は身体を緊張させた。
私はこれまで、至るところで、たくさんの人に「薄汚いアルデン人」と蔑まれ。
その度に、胸が締め付けられるような思いをしてした。
シルナ学院長先生や、羽久さんや…それに誰よりも、アトラスさんに出会ってから。
こんな私でも、価値があるしれないと思えるようになったけど。
私を認めてくれる優しい人々と出会う前は、誰も信じられない、という酷い人間不信に陥っていたこともある。
その嫌な記憶を、再び思い出した。
…しかし、イシュメル女王は。
「そう緊張する必要はない。おぬしがアルデン人だろうと関係ないわ」
「…」
「わらわがいる限り、この城で、おぬしがアルデン人だからと蔑視する者はおらんと、太鼓判を押してやってもよいぞ」
…意外だった。
人種による差別は、この国にはないらしい。
「何よりおぬしらは、かのイーニシュフェルトの聖賢者…。シルナ・エインリーの使いじゃ。歓待してやらねば、かの聖賢者殿に失礼というものよ」
「…そうですか。…それは光栄です」
イシュメル女王は、扇で口元を隠しながら、愉快そうに微笑んだ。
…この人が何を考えているのか、いまいち読めない。
交渉相手としては、非常に難しい。
何と言って、本題を切り出したものか…。
「うむ。この国にいる間は、わらわの名において、おぬしらに不自由な思いはさせまいぞ。王宮に部屋を用意しよう。そこでゆるりと…」
「人種による差別はしないのに、非魔導師のことは平気で差別するんだな」
「む、無闇さんっ…?」
言葉に詰まる、私の代わりに。
容赦なく、無闇さんはイシュメル女王に向かって口を開いた。



